その結果、過去に例のないイノベーションが生まれました。 正真正銘の初物です。モレックスのシンガポール工場に勤務する主要製品設計エンジニアであるコリン・ゴーは、「モレックスでは、これほど大きなコネクターは存在しませんでした」と述べています。さらに複雑なことに、機能性と性能だけでなく、生産効率も考慮した設計が必要であり、まったく異なる設計上の課題を提起しています。
ツェンはまず、これを「ものづくりの新しい挑戦の機会」と捉えました。 溶接が必要なことは分かっていたが、どのような工具や機械を使えばいいのかという知識が不十分でした。必要な工具を知った後も、その工具でどうすれば製品ができるかを学ぶのに十分な時間をかけ、さらにそれをうまくやるためにさらに時間をかけました。
失敗と成功をいくつも重ねながらも、問題への対応力を高め、チームが一体となり前進しながら学んでいくことがどうしても必要でした。「誰も何をしたらいいのかわからない。だから、一緒に学び、お互いに教え合い、一緒に成長していった」とゴーは振り返ります。
予期せぬ事態や、長い時間をかけて検証していかなかればならないことも多々ありましたが、チームは互いに助け合って前向きに取り組み、決してあきらめることはしませんでした。モレックスで30年以上の経験を積んだ主任プロジェクトエンジニアのファニー・ウォンは、困難な状況でも常に確認し、チームのモチベーションを高める役割を担っていました。ウォンは、成功の鍵は自分たちのコンフォートゾーン(ストレス や 不安 が無く、限りなく落ち着いた精神状態でいられる場所)からの脱却であると考え、そのチャレンジを支えるべく、時にはデイナーをともにしながら、互いに支え合うようチームを励まし続けました。
そして、2年の歳月を経て、ついに量産にこぎつけました。 「その時はもう、言葉にできないほどの喜びがありました」とツェンは初めて自分の作った製品が車に乗って走っているのを見た時のことを思い出します。実際に動いているのを見て興奮し、思わず携帯電話を取り出して写真を撮ったそうです。「Volfinity」のバッテリーコネクタの設計にゼロからスタートし、いよいよ量産に移行するまでの過程でチームは多くのことを学びました。 しかし、学びや挑戦はこれで終わりではありません。