まず、電気自動車 (EV) に対しては、ガソリン車の給油時間と比べて充電時間が長い、という批判が繰り返されてきました。
EVの充電にどれほど長い時間かかるかは、充電方法や車両の種類、製造時期によってまちまちです。アメリカ合衆国運輸省によると、個人の住宅に設置するタイプのレベル1の充電設備を使用する場合が最も遅く、充電には40~50時間が必要です。充電レベル2は個人宅と商業用の両方があり、充電待ち時間は4~10時間です。最速の充電方法が、事業者向けの直流式の急速充電 (DCFC) で、このDCFCを利用すれば、20分から1時間で80%の充電が可能です。
自宅に充電器があれば便利ですが、消費者は明らかに、スピーディーな充電の方を好むようです。2020年のFuel Instituteの調査によると、半数以上が、追加でお金を払ってDC急速充電の方を使いたいと回答しています。
メーカーは消費者が急速充電を求めていることをよく知っており、早急に充電設備を拡充できるよう力を入れるようになっています。そうはいっても、充電は単純に速ければよいというものではありません。あまり急速に充電すると、バッテリーに負荷がかかることで寿命が縮まり、性能が低下して、最悪の場合はバッテリーがほぼだめになってしまうおそれがあります。加えて、基本的に、バッテリーを長く使うほどに充電速度は落ちていくものなので、充電出力が高ければ高いほど速く充電できるとも言えません。
バッテリーの構成も充電時間に影響する要素ですが、バッテリーの設定はメーカーによって違うどころか、同一メーカーでもモデルによってあり得ないくらい違う造りになっています。バッテリー構成はメーカーにとって極めて重要で、EV車種ごとの差別化つまりスポーティな車種やとにかく安全性を最重視した車種等の違いを出すためにも、それぞれに構成を変えたものが使用されています。
一部のメーカーでは充電ステーションの拡充のために投資を行っていますが、これなどには各社のバッテリーの特性が関係すると考えられます。たとえばテスラは、自社EVをわずか15分で充電するスーパーチャージャーネットワークを米国内に設置しています。