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コスト最適化と納期遵守のための意思決定 - デジタルツインで強化する

サプライチェーンネットワークにおける納期遵守と、出荷方法の選択肢、そしてサプライチェーン内のコストとの間には最適なバランスというものが存在しますが、この3項目間のバランスを達成するには、正しい決定を下すためのインサイトが必要です。最近のモレックスのブログでは、ネットワークのモデリングと最適化で得られるインサイトを活用して、異なる変化によってネットワークパフォーマンスにもたらされる影響の違いを理解することに関する概要を述べました。ところで、このプロセスを支える基礎の部分とは、何でしょうか?

ネットワークの正確なモデリングと最適化の鍵の一つとなるのが、モレックスサプライチェーン内の生産拠点と製品フローのデジタルモデル、いわゆるデジタルツインです。デジタルツインとは、「現実世界の主体やプロセスを指定した頻度と再現性で同期して仮想的に表現したもの」です。このデジタルツインの定義の中心には、主に下記の3つの価値観があります。

  • 全体理解、最適な意思決定、そして効果的なアクションを加速することによりビジネスを変革する

  • リアルタイム&履歴データを使用して過去と現在を表現し、予測される未来をシミュレーションする。

  • 得られた結果によってデジタルツインを促進し、ユースケースに合わせて調整し、統合によって強化し、データ上に構築し、ドメインの知識によって導き、さらに情報技術 (IT) およびオペレーショナルテクノロジー (OT) システムに実装する。

デジタルツインによって、ベースラインモデル上で異なるシナリオを作成して複数の選択肢をテストし、最適なサプライネットワーク構成を選択するといった場面での、意思決定を裏付ける能力を得ることが可能になります。コスト低減、納期遵守率の改善、顧客体験の改善等に合わせてデザインを調整することもできます。またデジタルツインには、納品コストと時間、俊敏性、さらには長期間にわたる戦略的投資/資金引き揚げの決定との間のトレードオフの評価までも行える可能性もあります。

モレックスにおけるデジタルツインの活用方法

デジタルツインでは、ソフトウェアによる解析と空間ネットワークグラフを統合して、対象の物理的主体の変化に応じて動的に更新、変更されるサプライネットワーク等のエコシステムの生きたデジタルモデルを作成します。デジタルツインが実際の供給の現場でどのように利用できるのかについては、モレックスのグローバルロジスティクスチームにて、デジタルツインを活用して弊社サプライチェーンHUBネットワークにおける可視性と意思決定能力を強化した例を挙げて、説明してみたいと思います。このケースでは、構築したデジタルツイン上にネットワークをマッピングし、製造から顧客までの製品の動きを定義しました。そしてこのデジタルツインにおいては、サプライネットワーク遮断という事象の周辺に存在する課題に対応することを目標に、フローマッピングや発生するコスト等の情報をボタンクリックひとつで提供して、課題に対処するための素早い意思決定を可能にすることを目指しました。モレックスの主要ディビジョンの社員が必要とする情報を、デジタルツインから素早く抽出できることは、確実な納期遵守と顧客との迅速かつ効果的なコミュニケーションの実現につながります。

ベースラインモデリングを活用することで、特定の製造工場における全製品の履歴データを識別することができ、製品がハブや顧客に仕向けられた時点の情報を追跡することが可能です。製品の流れの履歴は、データレイクから情報を抽出して複製します。輸送手段を含む出荷データを利用することで、デジタルツインを構築するための自動ワークフローを作成できます。

工場の操業中断が生じた場合には、中断の影響を受ける製品や、後段階で完成品に影響するような製品をデジタルツインが提供するインサイトによってハイライトして、顧客が予定している出荷日への中断の影響等を予測することができます。このような可視性は、原材料と能力の可用性や他工場の生産能力を評価し、操業中断を乗り越えて納期を遵守するためにネットワーク内でほかにどのような選択肢が利用可能かを判断するのに役立ちます。

デジタルツインのその他のユースケース

運賃コストが高くなっているような場合には、関連する原価および収益をデジタルツインのモデルに取り込み、ベースラインと比較して輸送方法別のパフォーマンスを測定するという活用法もあります。たとえば、物流コストが高くなっている製品に関する情報を深掘りしたり、当該製品が航空便で発送されているかどうかまでを確認することができます。そして、意思決定プロセスでこの出荷方法を選択した、根本原因の調査へと進むことができます。この決定を下したとき、供給に関して何らかの制約があったのだろうか?製品を航空輸送ではなく海上輸送にできなかったか?こういった事柄一つ一つについて、意思決定を下す前に影響度合いをマッピングすることができます。

また、デジタルツインを利用して特定の製品、製品ファミリー、または製品シリーズの生産拠点について検証し、ベースラインに対して異なるシナリオをテストするという方法で、生産拠点を最適化することができるため、デジタルツインはネットワークの最適化にも有効だと言えます。たとえば、ある製品を、別の生産拠点で生産するとしましょう。デジタルツインを活用して、この決定による節約の影響を判断し、同時に、生産拠点の変更が顧客の納品感応度も含めたネットワーク全体にどのように影響を与えるかも判定したいといったケースが考えられます。ネットワークへ影響は最終的に、コストメリットを維持できないレベルになるのか?デジタルツインがこのような問題やその他の問にも答えてくれます。

デジタルツインの規模拡張

ネットワークの一部を検証するために構築したデジタルツインは、その他の接続や制約の問題の検討用に拡張することが可能です。初期段階では、メーカーから顧客までの範囲内での選択肢の検証を中心に据えて構築したものを、原材料までを検討範囲に含めたデジタルツインに拡張することができます。この際、追加でソーシングやハブも検証でき、また、シナリオプランニングの一部としてその他のリスクやコストメリットも検証が可能になります。ネットワークのひとつひとつのコンポーネントを検証し、選んだ「戦法」によってオペレーション全体がどのように変化する可能性があるかを検証することができます。グローバルなリスクもモデルに入れ込むことで、緊急時対応のプランニングをサポートし、コスト効率に関する変更提案を評価し、その真の価値を理解することができます。デジタルツインが現実世界のネットワークのシンプルなデジタルコピーであることによって、広範なシナリオ展開をすることが可能となり、これによって現実世界で起こる悪い結果を回避することができます。

可能な限り最もコスト効率の高い手段で納期遵守率を達成しなければならない世界において、グローバルサプライチェーンには将来を予測する能力が必要です。デジタルツインはまさにそのような予測ツールであり、サプライネットワーク内に起こる変化がもたらす結末を、それが実際に発生する前に見ることを可能にしてくれます。これが、モレックスがデジタルツイン能力をサポートするテクノロジーと知見に投資を行っている理由です。このようなデジタルツインモデルはすべて、ネットワーク最適化プロセスの一部であり、時間とともに最終的には納期遵守率の向上につながるものです。デジタルツインは、幅広く多数の業界において、モレックスのような企業が、いつ発生してもおかしくないようなサプライネットワークに関連する課題の解決に備えるためのパワフルなツールとして役立ちます。

 

 

 

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